「モビリティーズ・カフェ」は、社会学者ジョン・アーリの代表作『モビリティーズ 移動の社会学』(作品社, 2015年)を読む読書会です。
今回は第3部「動き続ける社会とシステム」の一つめ、第9章「天国の門、地獄の門」です。タイトルからしてなんだか物騒ですね。本章は、第2部で触れた各移動システムの特徴を生活の視点からあらためて見直し、どのような社会的影響を及ぼすのか検証しています。とくに第2章で現代社会における重要な資本形態としてアーリが提示した「可動性資本」を「ネットワーク資本」という概念として深めているのが読み応えある部分かなと思います。
読んでいる中で、どうしても意識にのぼってしまうのは、トランプ政権の移民政策や昨今ニュースとなったイスラム圏7カ国の市民の入国禁止などのことです。日本にいるとどうしても移民問題は遠い話と思いがちですが、『モビリティーズ』を読むことで、テレビの中で展開される世界を身近に感じ、考えを深めるきっかけになっています。
それでは、読書会に参加希望の方は、対象となる第9章を事前にある程度読んで来てください。
なおこの読書会は、対面での場(気流舎)とオンラインでの場(slack)と二つの場を持ちながら進めています。コミュニケーションの視点から学びの場づくりについて実践的研究を行っており、日本生活学会「生活学プロジェクト」の一環事業として運営しています。
【モビリティーズ・カフェ vol.9】
日 時:2月25日(土)11:00~13:00
場 所:気流舎(下北沢)
参加費:無料(資料代は投げ銭)
1ドリンクオーダーをお願いします。
(Skypeで参加ご希望の方はID:onaishihoにご連絡ください。)